外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「・・・なに」玄関のドアー越しに言ってみる。
「開けろ」ドアー一枚隔てても、氷のように冷たい祐哉の声
「無理」
「なんでだ」
「どうしても」ふんわりさん2号に会いたくない!
「高鍋を出せ」
高鍋さんを呼んでるよと、私の背後に隠れるウサギに言う。
『やですよ、いないって言ってくださいよ』小声で私にすがる白ウサギ。
「・・・高鍋、聞こえてるぞ」
『地獄耳』
「それも聞こえた」
もう、これは出た方がいいとさすがの私も思った。
はぁぁぁぁぁと深く深く溜息をつく高鍋さんの肩をぽんと叩く。
肩を深く落とし、出る準備をする。
「いい?」
「・・・ダメですけど、はい」
ドアーを開けた。