外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「マーク、はっきりさせよう」
「なんでもないよ」
「そういうの、いいから」

「シェーン」食べかけのピザをお皿に戻した。

「誰?京都で会った人?」
「・・・そう」
「どうなってるの?私たちは付き合ってるんだよね?」
「もちろん。彼女はなんでもない」

ひっくり返されたスマホを指さした。・・・おかしいでしょこれ。

「君がまた変なこと考えると思ったから」 

私の指で指し示された自分の電話を見た。

変なことを考える?

「ねぇ、私たちは3年も一緒にいるんだよ。
なんか今のこの関係はちょっとおかしいと思う」

「どういう風におかしいの?」

「・・・ちゃんと・・・ぜんぜん何も・・・言えてない」

「僕は君が好きで、君も僕が好き。それでいいんじゃない?」


「彼女とは、何もないわけ?」

「ない」

「本当に?」

「本当」

本当のことを言ってるのかどうかなんて、
調べる方法なんて、思いつかない。

言ったことを、このまま信じるしか無い。


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