外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

車に押し込まれ、高鍋さんはアクセルを吹かした。

「ちょっと!あんた何してんのよ」
「成田行きます」
「は?」
「は?じゃないですよ!バカかましてんのもその辺でやめてもらえます?」
「・・・何言って・・・」

あのね・・・

私の口を挟む間もないくらい早口で喚き散らした。

毎回毎回、酔っ払って僕に電話してくるのはいいんですけど、僕何回も言ってますよね?
片桐さんは騙されてますって。
その年になって純粋無垢な人って救いようないっすよ?
だからそのマークでしたっけ?下半身に締まりのない人?

超ー、毒舌極まりない。

唖然として声にならない。

「ふんわりさんとできてますって、だから!」
「京都、の、案内!」一言一言をはっきり言ってやった。

「やめてもらえます、その中学生的思考。
仮にもイェール出てんでしょ?」

「仮りって何よ!出てるわよ!(主席じゃないけど)」
「その辺の4流大出の女子の方がよっぽど頭いいっすよ」

高鍋さん・・・ぜんぜんウサギじゃない。

ウサギの皮被った、狼だ。
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