外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
英語が分からない高鍋さんは「???」だ。
「・・・あなたは?」精一杯だった。これを言うのが精一杯。
「私ですか?私はマークの彼女です」
にこっと笑って手を差し出す。
意味が・・・理解・・・できません。
「彼女?」声を絞り出した。「いつから?」
さすがにこのくらいは高鍋さんも理解出来たらしい。表情が曇る。
「えっと・・・そうですね、京都でお会いしましたよね?
そこからかな。今からアメリカに一緒に行くんですけど、
実は、京都の旅館に一緒に泊まってたんですよ、
えーと、幼なじみさんですよね?
だから、よかったらシェーンさんも呼んでみんなでごはんにでも行こう
って言ったんですけど、なんか用事が入ってたみたいで・・・」
幼なじみって何?
一緒に旅館に泊まったって、何?
一緒にごはんって・・・何?
・・・冗談でしょ???
嘘だったの???
「あ、来た」
ふんわりさんが私の後ろに視線を送って、優しい笑顔で手を振った。
完全にそこにマークがいるってことだよね。
振り返ることができない。
怖い。