外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
はい、それま~でぇよっ

鍋の蓋が湯気を撒き散らしながら、がっこんがっこんとダンスを踊っていた。
もう食べ頃だからさっさと蓋取って食べなさいよと言ってる風にも見える。

夏の終わりが近いと言ってもまだ残暑残るおりに、鍋というセンスもどうかと思う。

午後、まだ就業中だったところ、急な用事というていで出かけた私と高鍋さん。
行き先も告げず、高鍋さんに関しては、
デスクに携帯を置いていくといった素晴らしいミスを犯し、
その携帯に何十回と着信があったことを知ることになったのは、

この鍋の席でのことだった。

私、高鍋さん、祐哉、ふんわりさん2号の『かすみ』さんという異色の4人で1つの鍋を囲んでいる。

まったく食べたくない。

そして、これを用意したのは・・・ふんわりさん2号の『かすみ』さん。

ええい!そのまま、かすみさんと言えばいいんだけど、

なんか言いたくない。

そして4人共、不機嫌極まりない。
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