外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
まずこうなった経緯はこうだ。
魔の成田空港からの帰り道、私の携帯が鳴った。
知らない番号だった。
マークかふんわりさん1号かと思ってどきりとしたが、それは、
祐哉からだった。
携帯番号知らないはずなのに、なんでだろう?
そんなこと思ってたのは私だけで、
祐哉の会社の仕事を受け持ってるんだから、当たり前のことだった。
私の履歴書に個人情報全てを彼は持っていた。
・・・あぁ・・・だからか・・・
住所のメモを渡した時に渋い顔してたのは、きっと知ってたんだ。
そりゃ、番号も聞いてこないの当たり前か。
本人は知ってるんだから。
家だって分かってるはずだよね。
あんなにバレないようにしてたのが、ほんと、バッカみたい。
で、どこで何をしているのかを言えと、怖いくらい冷たく言われ、
ざっと概要だけ伝えた。
そのまま会社に帰るんじゃなく自宅、つまり私の部屋に直帰しろと、
そんな話をされて今に至る。
話はそれからだと言い、一方的に電話は切られた。