外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
甘えるな!塩を振れ!
チーターはダイニングに座っている私の手を取り、ソファーまで引きずる。
刈られた獲物のように、やられるがまま従うしかない。
祐哉はソファーに深く座り、その前に私を、置く。
どうしよう・・・いいのかな・・・
「あんな男、すぐに忘れさせてやるよ」
そんなこと言いながらも、どこにも触れてない。
祐哉は私を自分の前に座らせただけで、手さえ触れない。
私は真っ正面を向いて、夜景を見るかたちになる。
窓にうっすら浮かぶ祐哉のシルエット、
背もたれに背中を預けて、両手をソファーの上にでーんと置いて、
やっぱりいんちき武将スタイルになってる。
いいのかな?・・・触れても・・・
気になること言っておきながら、どこにも触れず、ソファーに横柄に座るし、
どうしたら・・・・いいのか・・・
「お前には俺が似合う」
なんかね、もう本当にキザなんだけど、
この時の私にはこの言葉が一番嬉しかった。