外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

しかし、言うことは祐哉や高鍋さん同様、毒舌だ。
私も毒舌の部類に入ると思ってたけど、大きな勘違いだった。

畑違いも甚だしいってことだ。

「やることやって、さっさと落としな」

そうきましたか、お姉様。
仮にもあなたは祐哉の姉でしょうに、なぜそんなことをペラペラと・・・

「いいわね、小学生じゃないんだから、大人の恋愛をひとつよろしく」

腿をぱーんと気持ちよく叩き、「じゃ」と言い残した。

「どこ行くんですか?」

「今からデートなの」

「・・・あぁ」だからそんなふりふり・・・

「・・・行ってらっしゃーい」力なく手を振る私。

「祐哉、部屋にいるんじゃない?襲え」
「いいですから、さっさと行っちゃってください!」

そして命令形はやめて下さい・・・・

きゃはははと可愛らしい笑い声を上げ、
小悪魔かすみさんは玄関の姿見で自分を確認すると、

「よしっ」と一声自分にかけ、出かけていった。

「あ、今日は帰らないから!」

振り向きざまに言うと、スキップでもするかのように機嫌良くエレベーターホールに向かった。

うちに帰ってくる気満々だったのかぃっ!

「・・・かすみさん・・・私の中のかすみさんのイメージをぶっ壊してくれてありがとう」

小さく呟いてみた。

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