外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

かすみさんの罵声にびっくりしたのか、

寝室から『きゃっ』という声。

キッと寝室を睨みつけるタイガー(かすみ)
やめましょうよと手で馬をなだめるように、
『どうどう』とするチキンな私。

半開きになっている寝室のドアーを蹴っ飛ばすタイガー、
中からはまたも『きゃっ』というかわいらしい声。

「なんだ!」

大声で怒鳴るかすみさんの声にびっくりして
祐哉がベッドから上半身を勢いよく起こす。

ぅわ!上半身裸!

なんて、見たのはいつぶりだろ?

え?上半身裸ってことは・・・もしかして・・・

『きゃっ』の主を捜した。

「なんだ?え?何やってんのお前ら」

祐哉は何が起こってるのか皆目検討もついていないもよう。

その横で、タオルケットにくるまって様子をうかがう・・・女の子・・・

ドクン・・・

体の真ん中に電気が入り込んだような熱さが広がる。


「この・・・くそエロガキがぁ!何してんのよあんたは!」


かすみさんは、強い。
なんか、私なんかより断然強い。
いやむしろ私は弱いかもしれない。

ぶっちゃけ今までやってきた自分の行動や考え方が
恥ずかしくさえ思えてきた。

< 292 / 363 >

この作品をシェア

pagetop