外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

私の存在にも気付いてないような・・・

「あんたは・・・桃華さんの前でなんてざまを・・・」
「桃華?」

やっと自分のすぐ隣にいる私に気付き、ぅわ!と声を上げる祐哉さん。

「いや違うぞ、これはなんかの間違いだ。俺は何も・・・」

必死に言い訳をする祐哉。
そんな彼を目を細くして見続けるかすみさんと私。

「いえ、あの・・・」か細い声に全員反応する。

申し訳なさそうにタオルケットにくるまって顔だけ出す、
誰だか分からない女子。

「私・・・あの、その、社長とは何もありませんでしたよ」

社長???

「祐哉、社員に手、出したんだ・・・」
「違う!そんな軽蔑の眼差しで俺のことを見るんじゃない!」

「ですから、出されてませんし」

「あんた、誰?」
野太い声のかすみさん。
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