外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「・・・私は・・・田中敬子と言います。
昨夜はプロジェクトのメンバーと打ち上げでして、
その後みんなで社長宅に押しかけて、三次会をやっていました」

「そうそう、そうだよ、こいつらが夜中に押しかけてきて、
勝手にのんだくれてたんだったわ」

「あんたは黙ってなさいよ」かすみさんに一喝された。

「それで、みんな朝までいたんですけど、
あ、社長は先にお休みされてまして、
始発が動き始める時間になってみんな帰ったんです」

「で、あんただけなんで残って、しかもベッドで寝てるわけ?」

腕組みするかすみさんは、やはり怖い。

「・・・・・」
「言えないなにかがあるってこと?」

「ねーし」祐哉が口を挟む。
「ほんとにないの?」確認する私。
「まじで、何もない」はっきり言い切る。

「・・・間違いがおきても良かったんです!」

「「「は?」」」

「私、間違いが起こっても、よかったんです。

・・・・・社長が、好きですから」

目に涙をいっぱい溜めて言う様は、まさしくこれがほんとのウサギだろう。

ぷるぷる震えて、ほんと可愛らしい。


一同絶句。

かすみさんに至っては目が白黒してるし、

私は・・・動けないし(情けない)

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