外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
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その新しい情報を、「知識」として、ジャンル『恋愛』の中に放り込んだ
『記憶の箱の番人』が、
今こそその知識をひけらかす場面だと思い当たったのは、
あのあと何も言えずに逃げるように祐哉の部屋を後にして、
廊下に出たその時だった。
「おっそい」・・・・・私の頭は、私が勝手に良いと思ってただけで、
実際はノミの脳みそ程度の要領なのかもしれないとはっきりと気付いたのは、
良かったことなのか、悪かったことなのか・・・定かじゃないけど、
瞼をぎゅっと閉じる。
深呼吸する。
私はどうしたい?
自問自答した。
また裏切られたらどうしよう・・・
黒い影が、嬉しそうにその鎌首もたげてきた。
マークの記憶が蘇る。空港でのあの一コマが鮮明に頭に入ってきた。
頭を振る。