外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「あ、気にしないで続けて!」
ポテトチップスの袋に手を突っ込んで、
むしゃむしゃと召し上がるかすみさんが・・・
楽しいおもちゃでも見つけた猫のような目でこっちを見てる。
「何やってんだよ!」
祐哉は咄嗟に立ち上がり、姉の手からポテチを奪い取る。
「ちょーっと!まだ食べてんのに!」
「って、なんでここにいんだよ、お前は」
「さっきからいたわよ!あんたたちが自分の世界に入り込んでるから
気付かなかっただけで、さっきの女が出てくところから一部始終、
見てたけど」
「・・・全部?ですか?」
キス・・・とかも?
「そ、ぜーーーーんぶ」にこやかに微笑む悪魔。
「かすみさん、高鍋さん待たせてるんじゃないんですか?」
そういや、下にいるはずでしょ?
「っ!忘れてた!」
言うや否や、全速力で走り出す。
「カギ!!」
カギ?
「忘れ物取りに来たんだから!早くっ!」
「あ、そうだ!」
私も思い出してかすみさんに続く。
「なんなんだよ!ったく」首の後ろを掻く祐哉に、
「あとで来る!」
言い残して、嵐のように部屋を後にした。