外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

従業員数は見た限りだと少ないけど、それには意味があって、
会社に来て仕事をするのも、在宅で仕事をするのも、
その案件の内容により決めることができるからだ。

なので、仕事始めの打ち合わせだけは出社して、
その後は家で黙々と仕事をこなす社員も多いという。

ちょっと待って。

高鍋さんは英語が分からないはず。なんでこの会社に?

「高鍋は英語なんてABCくらいしか知らないぞ」

「・・・それで翻訳が出来るの?」ふっしぎー。

「あのな、この会社は英語や、お前が得意とするフランス語だけじゃないんだぞ」

「そうだけど、基本じゃないの?英語って」

「その考え方は傲慢だな」

「・・・はい、すいません」

「よし。英語なんて話せて当たり前って考えが巷で言われてるけど、
そんなことないぞ。英語圏に行かなかったら全く必要ないだろ?
例えば、エチオピアで英語なんか話してみろ、全く通じない」

「通じないんだ」

「・・・お前は翻訳なんかやめちまえよ」

・・・・・言わなきゃよかった。

「ティグリニャ語は分かるか?」
「ティグ・・・なに?」

「だろ?そうなるよな。それが高鍋がここにいる理由だよ」

っへーーーーーーーーーーーーーーーーー

高鍋さんてそのティグなんちゃらってのの専門なんだ。

そりゃ、変わってるはずですよ・・・・・






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