外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「人は見かけによらねーってことだよ。
お前のその無駄に高いスーツだって、3年もすりゃ廃れるだろうが。
だったら動きを計算して作られたスーツ店のスーツの方が
よっぽどマシだろ?」
「それは・・・そうだけど」
そんなこと、もうとっくに気付いてる。
だから、考え方も変わった。
そんなもんになんの意味も無いって分かってる!
「俺は嫌いじゃないけどな」
ニコッと笑って、それすげーセクシーだしと付け加える。
「高鍋さんてなんでその言葉覚えたの?」
「ん?あいつはエチオピアで育ってきてるから、
アムハラ語?なんてのも話せるらしいぞ。
ま、今のところそこら辺の仕事は無いけどな」
高鍋さんのデスクを見た。
ペンをくるくる回してスマホ見ながらへらへらしてる。
全くそうは見えない・・・・
はぁ・・・世の中には面白いのがたくさんいるもんだ。
どっちが生き残れるかと問われたら、
間違いなく高鍋さんで、祐哉で、
私はきっとプシュッと消えてしまうだろう。