外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

それが合図になったかどうかは定かじゃないけど、
祐哉が馬乗りになった。

適度に体重をかけてきて、両手を抑えつけられた。
私の脚の間に祐哉の脚が入り込む。


フラッシュバックした。


ソファーで抑えつけられて、キスに溺れて、
祐哉の腰をぐっと引き寄せた時のこと。

イザーヌののぶさんが言ってた『マグナムほにゃらら』
・・・こんな時に居酒屋たぬきに気持ちが持ってかれるなんて、
なんて、なんて・・・・・

「・・・まだだな」首を一回大きく左に振った。

「何がまだなの?」
「まだダメだ」

意味不明なことを言うと、私の上からおりた。

いつものように後ろから抱きしめられて、
「おやすみ」髪の毛に顔を押し当てる。

「・・・ん・・・おやすみ」

しばらくして私は祐哉の体温とベッドの暖かさに意識が飲まれ、
隣で悶々としている男を放ったらかしにして、
一人楽しく夢の世界へ遊びに行った。








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