外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「手っ取り早く話を終わらせようか」

一通り見極めた祐哉はマークに切り出した。

「ええ、そうですね」

マークは間髪入れず大きく頷く。

「なんで日本戻ってきた?」

「もちろんシェーンに会うためですよ」

「で、会ってみて何か変わったか」

「・・・いいや、何も。でもまだあきらめ・・・」

「俺がいるから無理だ」

マークの言葉を遮った。

「・・・ずいぶん自信があるんですね」

「まぁな。あいつの事は俺が一番よく知ってる」

「ふっ、過ごした年月は私の方が長いんですけどね」

「年月なんか関係ねーよ、問題は中身だよ。

あいつの素の部分を分かってるのは俺だろ。お前じゃねーよ。

俺はお前みたいにあいつを傷つけたり不安にさせたりしないし、

あいつの前で他の女を選ぶようなそんな真似はぜってーしねー」

「・・・」

「諦めて、国帰れよ」

マークに言わせる隙を与えないままにざっと言うと、コーヒーを一口飲む。

< 336 / 363 >

この作品をシェア

pagetop