外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「手っ取り早く話を終わらせようか」
一通り見極めた祐哉はマークに切り出した。
「ええ、そうですね」
マークは間髪入れず大きく頷く。
「なんで日本戻ってきた?」
「もちろんシェーンに会うためですよ」
「で、会ってみて何か変わったか」
「・・・いいや、何も。でもまだあきらめ・・・」
「俺がいるから無理だ」
マークの言葉を遮った。
「・・・ずいぶん自信があるんですね」
「まぁな。あいつの事は俺が一番よく知ってる」
「ふっ、過ごした年月は私の方が長いんですけどね」
「年月なんか関係ねーよ、問題は中身だよ。
あいつの素の部分を分かってるのは俺だろ。お前じゃねーよ。
俺はお前みたいにあいつを傷つけたり不安にさせたりしないし、
あいつの前で他の女を選ぶようなそんな真似はぜってーしねー」
「・・・」
「諦めて、国帰れよ」
マークに言わせる隙を与えないままにざっと言うと、コーヒーを一口飲む。