外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「あ、そだ、ちょっと聞いていい?」
「なんなりと」
「なんでいつも私は祐哉の後を着いて行くスタンスなわけ?
レストランもそう、このマンションのエレベーターだってそう」
「なんで?おかしい?」
「レディーファーストって言葉をご存知ないと・・・」
嫌みったらしく言う。
「お前は本当のレディーファーストを知らないんだな」
被せてきた祐哉にむっとする。
「どういうこと?」
「その昔はな、なんで女を先に歩かせたり、先に出させたりしたかってーと、
敵から守るための盾にしてたって話もある。」
「は?」最低。
「最低って思ったろ?男の変わりはいないけど、女はいくらでもいると、
そういう発想もあったらしいぞ」
「たぶん私その時代にいたら、かたっぱしからぶっ放してるね」
鼻の穴を広げて怒りを露わにする私に、やめなさいよといなす祐哉。
「だから、まずは俺が先になんでもやって、安全確認してんだよ」
「もうね・・・・・・」
なんだ?と眉間に皺を寄せる祐哉の顔は・・・
「すっごい大好き」
潤んだ瞳で言う私の頭をポンと叩く。