外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
☆★☆★☆★
かすみさんに電話をかけると、丁度良かった!用意はできてるから、
今から行くわねと返事が来た。
何も用意をしていないことを言った私にかすみさんは、
メイウェンティ・・・と言ってきた。
これは中国語で問題無いという意味だが、
なぜここで中国語?
なんにでもはまるかすみさんは、現在は中国語習得に力を注いでいる、
ということで納得。
15時、私の家のキッチンには腕まくりをしたかすみさんと、
助手のような私がチョコを溶かすという作業を始めた。
BGMにはアリシア・キーズのフォーリン。
古いけどいい曲だ。
「いい、桃華さん、チョコなんてこんなもん、わざわざ固まっているものを
溶かしてハートの型に流して固めるという、非常に面倒くさい工程を経て
出来上がるのよ。つまり、その過程が大事なわけよ」
「ふんふん、分かりました。確かに買った方が楽ちんでおいしいと思いますけど、
その愛情を込めて作りました感がいいってことですね」
「そういうこと、はい、この型に流し入れて」
若葉マークの私には一番手っ取り早い方法がこれだ。
ただ、型に流して固める、はい、おしまい。