外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

祐哉のことを思って作ってる。

料理もそうだけど、愛情を込めて作ったものと、

雑に作ったものとでは、その出来が全然違ってくる。

不思議なもので、この世には目に見えない力が存在しているのかもしれない。

と勘ぐってしまうことも多々ある。

だから、気持ちを込めて作るという過程が一番大事なんだな、これが。

簡単なハート型の容器に流し込んだミルクチョコにホワイトチョコに、

ストロベリーチョコ。


なんか・・・これってちょー楽しい!


かすみさんも一緒。

去年も作ったって言ってたけど、去年もこういう簡単な・・・

「シンプルが一番」

なるほど、去年もこれだ。

チョコレートを固めている間に、女二人でガールズトーク全開になった。


「で、桃華さんは祐哉とはどんなかんじなわけ?

うまくいってる?よね」

「はい、安心できる間柄ってか、落ち着くっていうんですか?

ガチッとくっついた感は、あります」

「やっぱねぇ。あんたたちは合ってるって思ったもん」

チンとグラスの響く音がアリシアと混ざる。

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