外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「ま、夜は長いしな、あいつらの話も聞いてやんないと・・・」

「後がうるさいもんね」



くすくすと笑う私たちは、普通にしあわせだった。

何も特別なことなんてないんだけど、

その『何も特別がない毎日』のありがたさって、本当に難しい事だ。

当たり前の毎日の中に、小さい幸せがあって、

その当たり前を手に入れるために、みんな頑張る。


当たり前、普通って一見平凡だけど、それって以外と難しくて、

頑張って手に入れないと、それは掴めないものなんだなぁ・・・

なんて気付く。

だから、毎日こうやって笑っていられることにありがとうって感謝して、

普通の毎日に心からお礼を言わなければならない。


と、その中で神様がちょっとしたプレゼントをくれる。

それは例えば、赤ちゃんとか、気持ちとかね。



バレンタインは愛を確かめ合う日でもある。

彼氏彼女だけじゃなくて、友人や家族とかね、

大切な人に幸せな心をあげるイベントなんじゃないかなぁ・・

って、私が考えている間に、祐哉はさささっと用意を終えていて、


「よし、行くか」


とか言って、私に手を差し伸べる。

もちろん、その手は私のものだから、絶対に放さない。

「ん」

ぎゅっと掴んで、隣の隣の部屋へ行く14日の午後21時ってね・・・・





【完】


次→あとがきでございます






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