外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「誰って、あなたが誰よ!」
私は言い返していた。
「誰って・・・自分家で何しようと俺の勝手だろう?」
シャンパンボトルを持ってこっちに来る。
「ちょ!待って!」
思わず、フリーズしていた。
そう、両手を肩まで上げて手のひらを見せていた。
「・・・何してんの?」
クビをかしげるとそのまま私の横を通過し、リビングへ歩いて行った。
よく見れば確かに男の人の部屋だ。
黒と白でシックにまとめられているその部屋には無駄なものがない。
リビングの入り口で突っ立ている私を無視して、
座り心地の良さそうな黒い革張りのソファーに長い足をどんと投げだした。
お洒落なセンターテーブルの上のボトルクーラーに無造作にシャンパンボトルを突き刺す。
クラシックを聴きながら夜景を眺めてシャンパン・・・
悪くない。
そんなこと言ってる場合かっ!