外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

バスローブに身を包み、髪をざっと乾かす。
このほろ酔いにまかせてジャケットを取りに行ってみよう。
無ければ無いで気になるのが人間だ。ある時のありがたみなんてそうそう分からないけど、
無くして初めて気付くこの愚かさったらまったく・・・

人間って無駄に脳みそ使いすぎよね。

私は北島さんの電話番号も知らないし、仕事先だって分からない。
ただ、3037号室にいる人ってことくらいの認識しか、無い。

ひとまずは、コンシェルジュに連絡して、部屋に繋いでもらうことにした。

が、しかし、いないと言う。

ちらりと時計を憎々しく睨むともう午後11時45分を回る。
寝てるのか?

「仕方ない、行ってみるか」

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