外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

パーティーに行く前は必ず、「虫抑え」を頂く。

そして綺麗に体を磨き、化粧も時間をかけてして、

髪もパーティー用の夜会巻きにした。

黒いカクテルドレスに合うアクセサリーを選び、赤いリップを引いた。

「完璧」

鏡に映る自分に見とれる。

おっとやばいまた怒られる。時間はすでに10分前。
そろそろ行かなければならない。

ジュゼッペのヒールで脚に自信を持たせ、クラッチ片手に部屋を出た。
北島さんのキーも一緒に持って。

コンシェルジュに事情を伝え、預ける。

ロビーには既に迎えの車が到着していた。
バックシートに滑り込むと車は滑らかに走り出した。
< 54 / 363 >

この作品をシェア

pagetop