外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
居酒屋 たぬき
豪華フレンチに舌鼓を打つ私。 傍らには仕事仲間の高鍋君。
先日、けたたましい勢いでうちに電話の嵐をしてきた人だ。
頼まれた書き物一本をやっとこさ脱稿し、新 しい仕事の依頼内容をフレンチレストランで 聞いているところだ。
「で、ほんとに聞いてくれてます?片桐さ ん」
食事に夢中になっている私に冷たい目を向け る。
「大丈夫ちゃんと聞きながら食べてるから」
安心してとばかりに笑顔を向けた。
ここは都内でも有名なレストラン。
予約無し では何ヶ月も入れないことで有名だ。
しかし、ここはコネをフル活用させ、むりやりこじつけた。
ソムリエにワインを追加注文し、まだ飲むか!というほどに飲みまくった。