外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「・・・本当に片桐さんていいとこの出なんですか?」
まっすぐ背を伸ばして椅子に座っ ている高鍋さんが疑いの眼差しを向けた。
気を使わなくていい相手の時はね・・・
心で ぐさりとくる言葉のヤリを投げた。
「ねぇ、一つ聞いていい?」
体を前に乗り出 した。
「・・・なんですか」
「男の人ってさ・・」「あ!」
言葉を遮られ た。
「忘れてた」「何?」
「明日、依頼先に顔出しに行くんでした」
「あっそ」
「何言ってんですか、片桐さんもですよ」
そういう大事なことは早く言えっつー
の!っと に。
だったらこんなに飲まなかったのに!
次の日大事な仕事とか人と会う時は
絶対にお酒は入れない主義なのに!