外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
目だけを北島さんに戻すと、むかつくにやけ顔で狙いを定めてる。
「じゃ、行くか」
ついてこいと言わんばかりに、私に命令する。
「・・・・・」
ぽっかーんとしている私に、「ばか面こいてないでさっさと来い」
冷たい一声。
「どこ行くんですか?」
「話聞くよ」
「だから!」
「イザーヌに行く」
イザーヌ?なんだろ?イタリアンレストラン?いや、シチリア?
「メシ食いながら話をしようか」
私の頭の先からつま先までを舐めるように見た。
危ない・・・
「今からですか?」仕事と割り切ろう。
「・・・夜の方がいいなら時間変更するけど?」にやりとする。
「けっこうです今からで」
昼間っからなんかしようとはさすがに思わないだろう。
ある意味昼間で良かった気がする。