外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
北島さんが運転する車で行くことになった。
よし、酒は無しだ。安心を買った気がした。
「後ろに乗んなよ、助手席な」
「はい」ん?
もしかして・・・北島さんの顔色を覗うと、
分かりきっているように頷かれた。
運転している時も態度がでかい。左ハンドルの車の窓側に腕を乗っけて偉そうに片手運転。
車内は無言。控えめの音量でラジオが流れている。車の揺れが気持ちいい。
「よし、着くぞ」
心地よい揺れに揺られてたのに、現実に戻された。
イザーヌね?一体なんなんだろう?聞いたこと無いし、一体どこのレストランなのかな・・・
到着した場所は、殺風景な場所。
周りにはなんにも無い。小料理屋が何件かぽつんぽつんとあるような所だった。