外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「のぶさんも飲みましょうよ」北島さんは店主に酒を勧める。
「あ、そう?じゃもらっちゃおっかな」
まんざらでもない顔で酒を断りもしない。
それだけじゃなく、おもむろに店を出るとなんと・・・
のれんを中にしまい始めた。
「お店、おわりですか?」まだお昼ですけど・・・
「いーのいーの、趣味でやってるような店だから。ゆうちゃん来てくれたんだから閉めてさ、飲んじゃおうよ。でもお嬢さん気をつけて。日本酒をグラスで飲むのってゆうちゃんくらいだから。ははは」
ちょっとつまみ作るから二人でやってて。と言うと厨房に消えた。
北島さんはグラスを私の方に寄越し、飲んでみなと日本酒を注いだ。