わたし色15分間【短編/未完】
下を向いていてはいけない。
…前を向いた。
前の子たちの1人が
堂々とした態度で
話している。
よく通る声で、
何を言っているかまでは
わからないけれど、
なにか、心に響いた。
身震いした。
――負けるかもしれない…
勝ち負けじゃないけれど
何も残さずに
帰るわけにはいかない。
「負ける」と
落ち込んだとき、
何かが 胸の奥に湧(わ)いた。
…この感じ。
今までに感じたことがない。
自分をまた
不思議な気分にした。
でも… 何か違う。
怒り… 悔しさ…
…何だろう?