わたし色15分間【短編/未完】
「じゃあ、名前教えてよ」
「え…?」
学年こそ一緒。
けど クラスも部活動も違うし
接点はない。
なのに、
話し掛けてきたこの子。
今日のことがなければ、
名前さえ知らずに
終わったはず。
「“すず”に
“おと”で“すずね”」
「鈴音… きれいな名前だね」
すると、鈴音は嬉しそうに
「気に入ってる」
と、照れて見せた。
「あなたの名前も
聞いていいの?」
「…なんで そんなに
かしこまるの?
名前くらい、教えるよ」
「人と話すの、苦手…。
何か言われるのが怖くて…」