一番近くて、一番遠い二人
= Episode 1 =
「おい、芽依ー。いい加減機嫌直せよ」
「ヤダ!だいたい有り得ないでしょ?
女の子の部屋に勝手に入ってくるなんて」
何で私がこんなにも
怒っているかというと
約20分前の事_
カーテンの隙間から微かに
射し込む太陽の光で私、高島芽依
は目を覚ました。
「・・今日から高校2年生かぁ」
時が経つのって早いなー
あんだけ緊張した高校の入学式
も昨日の出来事のようだ。
「早く支度しなくちゃ、アイツが来ちゃう
」
アイツというのは幼馴染みの
白井智也の事だ。
パジャマを脱いでブラウスを
タンスから出そうと立ち上がった瞬間
バァァン!
「芽依!迎えに来た・・ぞ、ぁ」
「ギャァァ!?」
ありったけの力でいきなり
部屋に入ってきた変態野郎を
部屋から追い出した。
ドアを閉めるとそのまま
ドアに沿うようにヘナヘナと
床に座り込んだ。
「・・見られたよね」
「もう、恥ずかしい/」
よりによって何でアイツなのよ・・
「余計意識しちゃうじゃん、馬鹿」
自分にしか聞こえない位の
小さな声で呟く。
そう、私は幼馴染みのアイツ
に恋してる。
もう、4年も片想いだけどね..