東京

丁度ハートの形の花火が打ち上がり、パラパラと落ちていった頃
紗耶香さんは俺の横に帰ってきた。


ちょこん
と、元の位置に座り
目を輝かせて花火を見る紗耶香さん。


このままでいたかった。
出来たらなんの問題もなく最後まで花火を見たい。

だけど
黙っていられない俺は、やっぱり子供なんだろうか。

「仲直りした?今の電話バイトのやつだら?」


< 56 / 97 >

この作品をシェア

pagetop