東京


文樹と一緒に家を出た。
駅に行って、上りのホームに向かう文樹に手を振った。

ばっちにもらった
色んなものを抱えて。

悲しいのは俺だけじゃない。

静岡の大切な仲間も

こんなことになるまで名前しか知ることのなかった

ばっちの愛した

紗耶香さんさんも

家族も

文樹も

ジョージも

久美子も

ばっちのいない現実を受け止めていかなくちゃ。


乗りなれた電車に乗り込んで

あゆみの住む町へ向かう。
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