素直になりたい
タイトル未編集
「彼氏、誕生日プレゼントなにくれると思う?」
『私の事言ってるならもう会わないよ?』
「え、またー?」
御巫 弥生(みかなぎ やよい)22歳、もうすぐ23になる。
恋人たちにとって大きなイベントであるクリスマスが終わって、もうすぐ新年を向かえる時期だ。
年が明けると一週間程で私の誕生日がやって来る。
「クリスマスはなに貰ったの?」
『手袋とね、耳当て貰った。私はマフラー、長くてあったかいやつ』
「実用的ですね…」
今は付き合ってもうすぐ3ヶ月になる彼氏が居るけれど、正直もう恋人として見られない。
ううん、それは最初からだったのかもしれない。
もうずっと前から別れたいと考えていたから、アクセサリーとか
"恋人からプレゼントされました"
的な物を貰っても困ると思って前もって
「手袋と耳当てがなくてチャリ乗るとキツイ」
と言っておいたのだ。
だったら早く別れろよって思うかもしれないけど、職場で嬉しそうに彼女が出来た話をしていたらしいから、この恋人たちのイベントだけは一緒にしてあげようと私なりに気を遣った。
友達に言わせると、そんな可哀想な気を遣うなら最初から付き合うな、という事らしい。
もっともな事だと思うけれど、私だって付き合おうなんて微塵も思ってなかった。
一緒に飲みに行って、
カラオケオールして、
向こうが酔ってチューしてきて、
それだけで次に会った時に
「友達に彼女出来た?って聞かれてうんって答えたんだけど、良かったんだよね?」
と言われたのだ。
その場で否定する勇気が無かったから、嫌いな訳じゃないし私は無表情で頷いた。私は悪くない。