不思議なアノコ.・*
「あぁ。 だって俺、カナダに住んじまったからな…3年間ぐらい。
あとの2年はガキんときしいのこと好きになったから"告白"のこの字もでなかったしな。」
笑いながら言う高良。
たが…なんだか横顔が悲しく見えた。
「そん時はまだ明るくて、話し方も敬語じゃなくて…
前髪だって、あんなに長くなかったんだ。
でも…」
「…でも??」
「…ッいや…何でもねぇ。
お前、しいの顔ちゃんと見たことあるか??」
「…前髪が乱れたり、風でなびいた時ぐらいしか見てねぇよ。」
「ふぅん…まぁそうだよな。
あいつの目、とてもクリッとしてて二重で…肌も消えちゃうんじゃないかってぐらい透き通ってる。
誰でも1度は振りかえるだろうな。」
「…ぁあ。わかってる。」
俺も2度見してしまった。
「なぁ、陸。
…俺、お前に負ける気更々ねぇから。
恋には猪突猛進なのが俺のモットーだからな。」
「やっぱりそう言うと思ったよ。
…俺だって負けねぇ。」
『しい
椎奈の隣は 俺のもんだ』
「…プッ ハハッ
これからはお互い遠慮は無しだ。」
「おぅ。
…なんかスッキリした。」
「俺も。 不本意だが…相手が陸で良かったぜ??」
「ふぃ~…ッて、何で高良くんがしいの部屋にッ!?」
「別に?? ただ陸と話してただけだ。
…それよりしい、いい匂い。」
椎奈の髪の毛に顔を近付け、匂いをかもうとする高良。
「ちょッ…高良く「おい高良ッ!!」
「へいへい、わ-ってますよ。」
「たく…
抜け駆けはダメだかんなッ!!」
「チッ…努力はしてやる。」
そう言うと高良は、手を振って部屋を出ていった。