天使のキセキ【短編】
***


その夜、私は
すっかり忘れていた
あのガラスの玉を
取り出して
ベランダにぼんやりあたる
月明かりで
眺めていました


とても
穏やかで
ゆっくりと
流れる
不思議な時間でした


『綺麗…』


とても
キラキラと
輝いていました


けれど
あまりにも
綺麗なその光を
見ていると
何だか切ない
気持ちでいっぱいになりました


そっと
部屋の方を振り替えると
また
疲れて先に眠る彼を見ては
その切ない気持ちは
ますます膨れ上がり
今度は怒りという
感情が生まれてきました


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