君に Ⅰ

ベンチに誰かが寝転がっていた。


「・・・あの?」

「・・・スー・・・スー・・・」

「・・・寝てるし・・・」


あきれてその女の子を顔を見る。

髪型はみつあみだが、まつげは長く、唇は張りがあって色は薄いピンク。

しかも、かすかに甘い香りがする。

俺の周りに集まってくる女たちの匂いよりもよっぽどいい。


近くにメガネが置いてあるが、どうやら、だてメガネのようだ。
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