君に Ⅰ

その日の放課後。


屋上に行くと、女の子が1人で立っていた。



俺がその子を見るとその子も悲しそうな顔をして俺を見た。



「何ですか?話って。」


分かっているけど、いつも隣にいるその子の口から聞きたかった。



「ごめんなさい。急に呼び出して・・・。私の名前は木村真琴です。」


「分かりました。ところで、木村さん。話ってなんですか?」


すると、彼女は一言「その口調はけっこうです。」といった後、悲しそうな笑顔を浮かべた。



「・・・分かってたんだね。」


「私、まいの親友ですから。」

「・・・親友か・・・。舞歌とは仲直りしたの?」

「この間。まいが屋上来たとき、ちょうどりこの話を聞いたときに。」



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