ぴあす
周りに押しつぶされそうになる。
く、苦しい…
誰か…っ
意識が朦朧としている中、突然腕を掴まれた。
「…っ!?」
びっくりした瞬間、力強く引っ張られた。
その勢いで、わたしは人集りから抜けることができた。
「走れ」
「へ?」
助けてくれた人を見るため顔を上げる前に、思いきり背中を押された。
そして、そのまま言われた通りに走り出した。
身体に任せて、無我夢中で走った。
とにかく今はこの場から去ることだけを思って…