ぴあす
「あ、悠ちゃんもね、モデルなんだよ〜。
たまにCANDYで一緒に撮影してるの♪」
そ、そうなんだ…
じゃあ、もしかして…
「あ、要はバンドのボーカルなんだよ〜。
名前は何だっけ、確か、えーっと…」
「GNiK(ジニック)」
甘く低い声が静かに響いた。
「GNiKのベース、蓮です」
昨日はきっといなかった。
白銀の髪にゆるいウェーブ。
優しく笑み、それはまるで王子様みたいなルックス。
「美優ちゃん、だよね?」
「はい」
王子は、そのままわたしの前まで来ていた。
「よろしくね」
チュ、なんて軽いリップ音が教室に響いた。