ぴあす
「蓮ー、びっくりしちゃってるじゃん、その子」
蓮君の隣に並ぶのは、これまた初めて見る人。
「コイツ、帰国子女なんだ。
驚かせちゃってごめんね、美優チャン」
悠君や蓮君みたいな優しい甘い笑みとは違う、元気で爽やかな笑顔の男の子。
白銀の隣に、赤…
「あー、これ?
バンドで目立ちたくてさー。
ほら、見ての通りこの白銀いるじゃん?
だから、俺は赤かなーって」
わたしの視線に気付いたのか、せっかくセットされた髪を自らくしゃっとする。
「蓮も要もこのルックスでしょー?
だから俺全然モテないしさー。
あ、ちなみに俺ギターしてるんだけど…」
ま、マシンガントーク…
帰国子女の白銀。
マシンガントークの赤。
そして…
「なんだよ」
クールな漆黒。
一体どんなバンドなのだろう…
彼らがバンドをしている姿など、わたしには想像できなかった。