アオイハル。 ーあたしと彼と仲間達のゆる甘青春日記ー
「美晴がはまってる小説の話ー。」
「小説?」
「うん、すっごいキュンキュンするのさ♪
こりゃニヤけるしか!!」
高橋はたいして興味なさそうに
「へー、女子だな」とか言いつつ
あたしの手からポッキーを奪う。
お主…こいつが狙いかっ
さっとポッキーの袋を隠し、
高橋と火花を散らす。
「でも美晴がこの小説気に入ってる理由はね…」
ポッキーに気をとられたあたしの隙を見て、
奈々が口を開く。
「お?何?」
高橋が身を乗り出す。
「奈々、言わなくていいから」
恥ずかしいじゃん、と
あたしが止めると
プチッと
奈々のS寄りなスイッチが入った
嫌ぁな音がした。
「この小説の、「奈々!」
あたしの制止も虚しく、
奈々はニヤリと不敵に笑う。
「主人公の彼氏の名前がね、
リョウセイ、て名前だから♪」
あーぁ。
…
「あー だからか(笑)」
「だからか、て…納得しないでよ」
ニヤニヤする高橋から目を逸らす。
なんか無駄に照れるよね、
こーゆうの。
あ 読者様からしたら
なんぞ?て感じですよね。
リョウセイ。
その名前は…ね
「…俺が何?」