アオイハル。 ーあたしと彼と仲間達のゆる甘青春日記ー
振り向くと、…
視界に入ったのは
腕まくりをしたYシャツからのびる、
程よく筋肉がついた男子の手。
そのまま視線を上にずらすと…
あくびをする、
彼が。
「わっ…ハル!」
「涼晴ー、タイミング良いなあ」
高野が上機嫌で
ハルの肩を叩く。
「永田、美晴がね「わーっ!!!!!!」
慌てて奈々の言葉を遮った
あたしの大声に、
周りのクラスメイトがびくっとこっちを見る。
…皆様ごめんなさい。
「…?」
ハルがこっちを見る。
「なんでも…ないから」
「…ふぅん」
そう言って
あたしの机に腰掛ける。
…
なんだこの無言
「うちトイレ」
謎の無言を絶ち切るように、
奈々が席を立つ。
「え 浅田んちトイレなの?」
「…蒼太うざい」
あら。
高橋渾身のギャグは
奈々にばっさりと廃棄されたようだ。
あたしは
廊下に向かう奈々に
「いってらー」と言った。
「んじゃっ、
お邪魔な俺も退散しますわ♪」
高橋は片手をあげて颯爽と…
あ 机に小指ぶつけてる。
痛がってる。
ぷふふ、と吹き出すあたしに
「…蒼太あほ」
と呟くのは
机に腰掛けたままの彼。
ちらっと見上げると
すっと通った鼻
整った眉に
きれいな焦げ茶の瞳を
覆うように
若干伏せたまつげ
薄く笑う唇の横顔が。
ぱっと、視線が合う。
「…ん?」
…
周りが気を使って2人きりにする
あたし達の関係。
みなさんお分かりのように(?)、
彼
ハル こと
涼晴 こと
永田 こと
永田涼晴は、
あたしの 彼氏さん、です。