気づいてよ…
「…ん?」
美都が目を覚ました。
30分ぐらい寝たか?
「寝てた?」
まだ少し寝ぼけているみたい。
「ぐっすり寝てたよ」
美都はあくびをして窓の外を見ている。
「奏も眠いんじゃない?寝たら?」
美都も気づいてたか…。
「…寝れそうにない」
美都は“そっか”と言って鞄の中からケータイを出して、イヤホンを挿入して音楽を聴き始めた。
美都は電車でも酔うから。
俺が眠れない理由。
目を閉じたら美羽の顔が浮かんでくる。