気づいてよ…
「奏!」
美都に体を揺すられて目が覚めた。
ってことは、俺…。
「寝てた?」
「うん、結構ね。もうすぐ着くよ」
結構か…今までの分かな。
そういえば美羽が夢に出てきた気がする。
まだ寝ぼけている頭で思い出そうとしたけど、無理みたいだ。
「あーあ…」
美都はため息をついた。
俺が起きてからだけでも何度もついている。
気持ちは分からなくもないけど。
「着いちゃった…」
美都はそう言って苦笑いをした。
美都も俺と同じ。
まだ認めたくないんだ。
この“別れ”を。