気づいてよ…
俺と美都は今、唖然としている。
タクシーの運転手さんに住所を見せて連れて来られた新しい居場所。
電柱に書いてあるのと照らし合わせても間違いない。
でも、目の前の光景が信じられない。
てっきり親戚の家とか、両親の友人の家とかだと思っていたのに…。
民家にある表札の代わりに、“桜の家”って書いた小さな看板がかかっている。
その上には“児童擁護施設”って文字。
ありえない…。
俺たちって施設に入れられたのか?
「あら?」
唖然としている俺たちの元に、1人の女性が走ってくる。