気づいてよ…
将也に連れて来られたグループには、男子が3人いた。
将也を入れて4人。
「3人とも陸上なんだけど、見覚えない?」
将也に言われて椅子に座りながら考える。
3人とも俺を穴が開くほど見ている。
知らないのは俺だけ?
でも、1人だけ見覚えのある顔があった。
「…川崎純(kawasaki-zyun)」
中学の時、県大会で闘った相手。
純も俺も短距離の選手だった。
「覚えてる?久しぶり!」
純は嬉しそうに笑った。