気づいてよ…
俺は桜の家に帰るとすぐに長瀬さんの所に向かった。
入部の許可をもらうためだ。
「長瀬さん!!」
職員室に入る前に中庭にいる長瀬さんの姿が窓から見えた。
俺は窓を開けて名前を呼んだ。
「…奏くん?どうしたの?」
掃除をしていたらしい長瀬さんはすぐに来てくれた。
「あ!分かったぁ!陸上部に入部したいんでしょ?」
「そうなんです!!…駄目ですか?」
少し自身がなくなった俺。
「駄目じゃないよ?智也くんも望んでるしね!でも…」
一瞬顔を曇らせた長瀬さん。
俺の不安も大きくなる。