気づいてよ…
「…ともじゃねぇの?」
俺はからかうようにともに言った。
「あの!そ…奏…先輩に…お話があるんです」
その声は間違いなく彼女の声。
俺は耳を疑った。
俺、この子の名前も知らないんだけど。
「ほら、先輩だ。先輩恥ずかしがるから、体育館裏とかにしなよ!」
「あ…うん!」
ともは俺を置いて先に校舎に入って行った。
「何だよあいつ…」
そうつぶやいたけど、ともは戻ってこない。
俺は仕方なく彼女と一緒に体育館裏に向かった。